朝から機嫌が悪く、周りに毒を撒き散らすように自分の機嫌の悪さを伝えてしまう態度の人がいます。そのことが自分の免疫力を下げることにつながっていることに気づいてはいないと思います。では、なぜ彼は、彼女は、朝から機嫌が悪いのでしょう。
人間の自律神経の働きは交感神経と副交感神経の働きに分けられます。眠っている間は副交感神経が働きを強め、例えば内蔵のように、あなたの無意識のうちに働いている臓器の活動を活発にしています。それに対し交感神経は目覚めて活動している間に働きを強め意識的に働く体をスムーズに動かせるようにしています。
自律神経の働きはONとOFFではありません。時間帯によって、交感神経が少し活発に働いている時は、副交感神経はちょっと遠慮して働く感じです。
目が覚める時間には交感神経が働きを強め始めます。しかし自律神経のスイッチはアナログですので、目覚めた瞬間に交感神経が活発になるわけではなく、沢山あるスイッチが段々とONになっていくイメージです。ここに、朝から機嫌が悪い「あなたに」なるのか、機嫌よく一日を始められる「あなた」になるのかの分かれ目があります。
目覚まし時計で目が覚めて布団から飛び出すように起きると、体は起きても脳が完全には目覚めていないので思わぬケガをしがちです。顔を洗おうとしてギックリ腰になる方も多くおられます。また起立性低血圧で目眩を起すこともあり、偏頭痛も起しやすくなります。脳の情報処理が遅いため時間が速く進むように感じます。結果的に、目覚めてからの朝の時間で、体の調子が悪いかもしれないと思い、調子が悪いのに出かけなければいけないという状態のストレスを自分で作りだし、イライラがあなたから外に漏れだします。「調子が悪いかもスイッチ」を入れているのはあなた自身です。自律神経の切り替えがスムーズにいかないことで免疫力は下がり、増々ストレスに弱くなる悪循環な生活をおくることになります。
目覚めたら、まずは布団の中での運動から始めましょう。軽いストレッチや運動で筋肉に刺激を与えることで、脳が活性化されます。顔のマッサージで浮腫みをとりましょう。顔のストレッチで気分の良い表情をつくりましょう。今日の予定が上手くゆくようなイメージをしましょう。5分から10分で自律神経は副交感神経から交感神経が働きやすい状態に変わっていきます。布団から出て歩き始めたときに、あなたは体の変化を感じます。調子が良いかなと感じることで「調子が良いかもスイッチ」が入ることで免疫力は上がりストレスへの準備も始まります。朝一番に良い気分をつくれるのは、あなた自身でしかありません。「調子が良いかもスイッチ」を強めるために朝の散歩をしましょう。5分でも10分でも、きれいに歩くことだけに集中すれば、血流の良くなった脳にセロトニンが蓄えられ一日のストレスへの対応が準備されます。蓄えられたセロトニンは夜になるとメラトニンに変わり、気持ちよい睡眠をあなた自身に与えることができます。