21時は魔法の時間。「読み聞かせは、子供の話を聞く時間。」

 息子が小学6年生になるまで、夜9時には寝室に行き読み聞かせをしながら寝るようにしていました。3歳くらいには絵本を読んで、毎日同じ絵本をリクエストされました。新しい絵本があっても、お気に入りが最初の本です。ここには人間の学習本能がみられます。同じ物語を何度も聞くことで、言葉を覚え、意味を理解し、感情を理解します。
 また、日によっては、布団に入るなり急におしゃべりが始まります。保育園での出来事を話し始めます。楽しかったこともあれば、嫌だったことも話します。

私は「へ~」「そーなんだ」「大変だったね」くらいしか相槌をうちません。「そのときはこうしなさい」「~ちゃんは駄目だね」などと指示や助言は言いません。子どもは話したいだけ、共有して欲しいだけだと理解しています。
 子育てまっさいちゅうの親が子供としっかり向き合う時間は一日の中で何分あるでしょうか。読み聞かせの時間でもつくらなければ、命令調な一方通行の会話だけになっていて、子どもが親を独占し親が子を独占する、意識を共有する時間は無いかもしれないと感じます。
 今になりしみじみと実感することは、布団の中で寝しなに子どもの愚痴やエピソードを聞いている時間の、例えようなく暖かな時間の記憶が、今は大人になって離れて暮らす子どもを信頼する絆になっているということです。
読み聞かせの時間は15分か30分です。見たいテレビドラマや、残した仕事があるかもしれませんが、一生の中で子どもと共有する時間はそう長くはありません。毎日おとずれる魔法の時間を逃すことなく暮らしたことが、私にとって宝物の記憶になっています。