変形性股関節症や足関節捻挫の後遺障害で歩行痛を訴える方は多くみられます。普段の歩行リハビリではいわゆる西洋式の歩き方、骨盤を左右に捻ることで上半身と下半身を左右にねじり歩幅を広くする歩行リハビリを指導していましたが、変形性股関節症などでは股関節に負担がかかり歩くことに苦痛を感じ、慢性的な足関節捻挫症ではつま先で地面をける力が弱いために不安定感がかえって増すように見受けられます。
そこで能狂言師の舞台歩行のように立位姿勢で始めに膝を軽く曲げ、膝から下を前に振り進めるような歩き方(踵から踏み出しつま先を上げる動作は同じです)を試していただいたところ股関節や足首の負担が無く歩けることがわかりました。二足歩行型ロボットをイメージしてくださると理解できるかと思います。二足歩行型ロボットは能狂言師の舞台歩行と同じように軽く膝を曲げ歩きます。そのことにより骨盤部分を左右にねじる動きを抑え又体の上下動も抑えます。歩幅は広くなりませんが特に物を持ち上げながら歩くときなど安定します。また視覚障害の方が足裏で探るように歩く際にも安定した姿勢が保ちやすいことも確認しました。
歩行リハビリも「歩幅を広く早足で」の一辺倒ではなく日本的な歩行も試してはいかがでしょうか。