見た目の下肢の長さを比べることと大腿骨下腿骨の骨長を測ることの違い。

動画でまず初めに「足の長さを比べる」という私の表現を「脚の長さを測る」と認識されてYouTubeの動画に脚の長さを測っている時点で偽物施術だとコメントいただき嗚呼表現って難しいなと改めて思いコラムに書き留めます。
 私は大腿骨下腿骨の脚の長さを測っているのではなく、うつ伏せ仰向けでの「見た目の下肢の長さの差」を比べています。例えば歩行時につま先が外向きに歩く傾向が右脚にあれば股関節も外向きのストレスがあり、うつ伏せでは右脚が短めに見えることが多くあります。また背筋の左右の緊張差もあり偽性の側湾症の症状があることも多くみられます。これらの症状は施術後に改善されることがほとんどです。
ただし偽性の側弯症であったものが年月を積み重ね骨格の形質さえ変えていくこともありますのでバランスの良い身体を保持することは重要です。
また加療後に主訴の症状が改善していても下肢の長さの差が残る方もおられ、そこで下腿骨大腿骨の長さの計測をすると骨長の左右差があることも時々あります。(多くの方は大きなケガなど既往症があります)その場合は提携する整形外科と相談することもあれば靴中敷き程度での補正で様子を見ることもあります。
 またうつ伏せで下肢の長さを比べるさいには下肢の左右差だけではなく、足裏の状態、足首の硬さや膝の裏側の硬さ(ベーカー嚢腫など)、腰部背部の緊張を観察し、顔を左右に向けた時の下肢の動きも観察します。
興味深いことにむち打ち症様の症状では顔を右向きでは右下肢が短く見え左向では同じ長さにそろったり、左向では左下肢が短く見えたり、向きにくいと感じる側の下肢が背筋の緊張とともに骨盤に引っ張られて見た目が短く見えます。重ねて興味深いのはS字側弯症がある場合は顔を右向きで左下肢が短く見え左向で右下肢が短く見える逆転が認められます。
私が下肢の長さを見るのは下腿骨大腿骨の骨長を測っているのではなく、見た目の下肢の長さの差から体のアンバランスな状態を観察しています。