I. 布団の中で、顔の浮腫み取りマッサージと顔のストレッチ
目覚めて初めにすることが、顔の浮腫み取りマッサージと顔のストレッチです。むくんだままで起き上がると、目蓋が重く辛い一日の始まりとなりがちです。また、浮腫みは重力で下に引かれ、日々皺を深くしていきます。さあ、スッキリ顔を作りましょう。
① 顔の浮腫みを取りましょう
顔の静脈は鼻の両側と、耳前の顔の側面にあります。ホオ骨から内側の浮腫みは鼻の両側に向かって、ホオ骨から外側の浮腫みは耳前の静脈に向かって、手の平全体で抑えるように浮腫みを減らす流れをつくります。
オデコから始めます。外側のこめかみから中心に向かい抑えます。中心まできたら鼻筋の外側を抑え、浮腫みを下に流します。一段下がってホオ骨から内側に抑えて、鼻筋から下に浮腫みを抑えて流していきます。また一段下がって、アゴ骨の外側から中心に向かって抑えます。
ホオ骨の外側の浮腫みは、こめかみから耳の前に顎の下まで、手の平全体で順番に抑えるように流していきます。
これを三回程度繰り返します。手の平全体で顔の浮腫みが薄くなっていく感じがわかります。押さずに手の平全体で抑える感じです。細かなところは指腹で抑えます。
毎日続けると、浮腫みが取れやすいリンパや静脈の流れが出来ていきます。
② 顔のストレッチをしましょう
顔の筋肉、表情筋は皮膚との密着が強いので、手で抑えることでストレッチが出来ます。初めはオデコから上斜め外側に手の平全体で抑えるように引き上げます。次に一段下がって、ホオ骨から上斜め外側に手の平全体で抑えるように引き上げます。最後に顎の下を手の平全体で抑えるように引き上げます。
この時のポイントは、目をしっかり開けてストレッチすることです。目を閉じてストレッチしていると気持ちよくて二度寝してしまいます。
II. 下半身のストレッチ
ストレッチは、ダイナミック・ストレッチングと、スタティック・ストレッチングに分けられます。運動前に関節の可動域を広げていくのが、ダイナミック・ストレッチング。運動後に筋肉内の疲労物質を外に出すためにゆっくり伸ばすのが、スタティック・ストレッチングです。
スタティック・ストレッチでゆっくり伸ばすと筋肉の収縮力が落ちますので、朝のストレッチはダイナミック・ストレッチで軽く短い時間で行ないましょう。
ストレッチで大事なポイントは、楽なところは得意になって、辛いところは適当に、嫌だなと思ったら止めるということです。次の順番は目安です。楽なところから始めてください。
①太ももの後から臀部のストレッチ
片膝を抱え、ゆっくりお腹に近づけます。反対側もやってみましょう。腰や膝などに痛みがあったらやめましょう。
全てのストレッチは楽な方から始め、気持ちの良い範囲で動かしていきます。無理をする必要はありません。
②内もものストレッチ
両膝を立てて、左右それぞれを外側に開きます。これをゆっくりと、何回か繰り返します。
③臀部のストレッチ
左膝の上に右足の甲を乗せます。そのまま左膝を両手で抱え、お腹に近づけます。膝まで手が届かなければ、腿を両手で抱えます。それも辛ければ右足を乗せるだけで充分です。そして足を組み替えて、反対側も行ないます。
④太ももの外側からわき腹背中のストレッチ
両手を横に広げます。膝は伸ばしたままで片足ずつ横に捻じっていきます。膝を曲げると腰を無理に捻じり過ぎますので、膝は伸ばしておきましょう。
⑤太もも前のストレッチ
横向きに寝て上側の片膝を曲げ、足の甲を持ちお尻に足裏が着くように曲げていきます。太もも前のストレッチが出来ます。腰を無理に反らさないように、楽に気持ちの良い範囲で伸ばしましょう。
この五種類のストレッチで、股関節の周りをグルッと一周したことになります。股関節の周りのストレッチングで、骨盤から腰につながる体幹筋のストレッチングが出来ます。こうしておくと、目覚めて歩きはじめるときに「イテテ」と感じることが無くなります。
ストレッチもヨガも柔軟体操も、楽なところから頑張り過ぎずに、順番にやってみましょう。慣れてくると、顔のマッサージやストレッチをしながら、下半身のストレッチも出来るようになります。
III. 手から腕のストレッチ
一日一回は指先から肩甲骨周りまでのストレッチをしましょう。腱鞘炎やバネ指、指先の変形、テニス肘など、使いっぱなしで何年も経過すると関節の変形が進みます。毎日一回でもストレッチをすることが、あなたの体を守ります。
①手の甲側のストレッチ
左手の平で右手の甲を包むように握り、手首を曲げて両肘を伸ばします。手を持ちかえて左手の甲側のストレッチをします。動きになれたら両肩を前にすくめるように伸ばします。肩甲骨周りまでストレッチが出来ていれば正解です。
全てのストレッチは、楽な方から始め、気持ちの良い範囲で動かしていきます。
②手の平側のストレッチ
両手の平を反対向きに合わせ、肘を伸ばしていきます。手の平側の筋肉が肩周りまでストレッチされます。左右手を入れかえて、反対側も伸ばします。
③二の腕のストレッチ
右手の平を上に向け、腕を体の前に伸ばします。左手の平を90度ずらして右手に重ね、右手首を背屈していきます。右肘をゆっくり伸ばします。肘を伸ばし過ぎると痛めることがありますので、伸ばし切る手前で余裕を持って止めてください。手を変えて左の二の腕も伸ばしましょう。
腕のストレッチングをすることで、腱鞘炎や四十肩・五十肩ほか指先から腕・肩の慢性炎症の予防になります。仕事の合間でもお風呂の時間でも、どこかで気軽に毎日ストレッチングする習慣を身につけましょう。
IV. 散歩をしながら
朝の散歩は、有酸素運動で腸から脳にセロトニンを運び、一日の心身のストレスに耐える準備の時間です。後で詳しく歩き方を説明しますが、きれいに歩くことだけに気持ちを集中します。
運動時間の目安は30分以内。運動負荷はハアハアする手前位の心拍数です。一番の目安は、散歩から戻りすぐに次の仕事を始められる程度が目安です。疲れたといって座り込みたくなるのは、やり過ぎです。
筋肉疲労の蓄積は、内臓の疲労につながり体調を崩します。酷い症状だと、スポーツ鬱と考えられる運動に対する拒否反応が出る場合もあります。
①ノルディック・ウォーキング
二本のストックを使って歩くノルディック・ウォーキングは、自分の身体とコミュニケーションを取りながら、体のバランスをニュートラルに戻すリハビリになります。左右の歩幅、体の傾き、体幹のひねり方など、歩きながらチェックしましょう。ストックの助けを借りることで、気持ちの良い、正しい歩き方が体感できます。ぜひ一度、チャレンジしてみてください。
②四股踏み
散歩の途中で四股踏みをします。四股踏みは、片足でバランスを取りながら足を横に持ち上げ、止めてゆっくり下し、股関節を開きながら腰を下ろします。四股踏みは下半身の筋力をつけるだけでなく、片足でバランスをとることで、足裏から関節周りの筋肉のバランスセンサーの感度を高めます。上下運動のスクワットよりも、バランスを保つことに関しては格段に優れた準備運動です。
③マサイメソッド
私が『マサイメソッド』と名付けたジャンプ運動です。縄跳びのようにその場でジャンプしますが、チョットしたコツがあります。
おへそを上げてお尻を下げるようにします。お腹周りからお尻にキュッと力が入ります。
軽く顎を引いて体側に伸ばした両手中指の先が外腿の中心にあり、重心が土踏まずにあれば正解です。
その状態で肩を上げ下げすると力が抜けています。顔を左右に向けると向きやすくなっています。上半身を左右にひねると楽に大きくひねることが出来ます。下腹部が自然に引き上げられています。
この状態が骨盤の上にストレス無く背骨が乗っている状態で、すべての動作の基本姿勢です。
しかし、この姿勢を保とうとすると全身が緊張して身動きができません。そこで、この姿勢でジャンプしましょう。ポンポンポンと4~5回のジャンプで充分です。ジャンプした後は力を抜いても先ほどのきれいな姿勢が保たれています。
ジャンプするときには、脳から強い信号が筋肉を流れます。着地の瞬間に信号が脳に戻ります。この繰り返しで、筋肉が適度に緊張し、きれいな姿勢が自然と保たれるようになります。そして何回か繰り返すことによって、脳がニュートラルな姿勢として記憶すると、普段の姿勢がとてもきれいになります。
目覚めの時間に大切なことは、おおよそ以上の通りです。
エピローグ
朝のボランティア
私にとって朝の散歩は、地域ボランティアの時間でもあります。近所の小学校まで歩き、ストレッチ、四股踏み、マサイメソッドなどしながら、小学生の登校を待ち、横断歩道で旗を振って通勤車両に止まっていただきます。16年もやっていると大変ですねと言われたりしますが、私にとっては元気をつくる大事な時間です。また地域貢献の役割を頂いている貴重な時間でもあります。
生きていくことは仕事をすることでもありますが、仕事は単に自分の生活範囲の中での分業では無く、もっと広い意味で、地球人としての社会生活の中での分担だと思います。仕事は、自分の生活を維持するためだけのものではなく、広く社会に貢献するために必要な分担だと私は考えています。大きな社会貢献は出来ませんが、毎日少しずつ社会貢献できることが幸せだと感じています。
朝の散歩は、歩くことに集中することで脳の血流が活発になり、アイデアが浮かび、体調が整う時間でもあります。
仕事の時間、家族との時間、社会貢献の時間、自分の時間と細かく分けることは出来ませんが、目覚めから朝食までの時間を元気に気分よく過ごせると、その日を充実した一日としてスタートさせることが出来ます。
十年後のあなたの身体を守ってくれるのは、今日からのあなたです。「飽きずに、忘れずに、頑張り過ぎずに」続けてみることです。三日坊主も十回やれば三十日です。